株式会社つうけんアドバンスシステムズ 様
自治体業務に求められる高品質な帳票の開発をシーオーリポーツで効率化し顧客満足度を向上
全国で相次いで実施されている市町村合併に伴い、自治体システムの統合や新規開発が活発化している。 そうしたなかで大きな課題となっているのが、いかに帳票開発を効率化するかという問題だ。 とくに自治体で利用される帳票には、罫線が多用されるなど、高いクオリティが問われる。 つうけんアドバンスシステムズでは、「シーオーリポーツ」を導入することで、 自治体システムにおける帳票開発をめぐるさまざまな課題を解消することに成功した。
豊富な経験とノウハウに基づいて自治体向けソリューションを提供
つうけんアドバンスシステムズは、つうけんの情報システム部門であったマルチメディア事業部門が2001年10月に分社して設立された企業だ。 現在では、旧つうけん時代から培ってきた情報通信技術をベースに、官公庁・自治体・民間企業に向けた基幹業務システムの構築から運用保守、 および総合的なコンサルティングサービスに至る幅広いサービスを提供している。 中でも自治体向けソリューションは、政府による電子自治体計画の推進や全国で活発化している市町村合併を背景に需要が高まっており、 同社の中核ともいえる事業だ。具体的には、総合行政や財務会計、人事給与をはじめ、健康管理や介護に至る多様なソリューションを提供している。
一般的に、市町村合併に伴うシステム統合は、合併対象となる各市町村がこれまで培ってきた文化やシステムについての考え方が各者各様であるため、 なかなか一筋縄ではいかないケースが多い。 このため、開発にあたるベンダーには、多様な自治体業務のあり方についての詳細な知識やノウハウといったものが大きく問われることになる。
つうけんアドバンスシステムズの公共システムグループで担当課長を務める山崎 博文氏は「当社では、 かねてより全国の様々な自治体に向けたシステムの構築に取り組んできました。 なかでも北海道内では、ほとんどの自治体に対して何らかのシステムを納入してきたという実績を持っています」と、 同社の豊富な経験と高度なノウハウについて紹介する。
初期導入、運用の両面でのコストメリットを高く評価
先頃、つうけんアドバンスシステムズでは京都府下の6町を対象とした大規模な合併プロジェクトに伴うシステム開発を受託し、 その財務会計ソリューションの開発に取り組んだ。その際、最も大きな課題となったのが「どの帳票開発ツールを選択するか」という点である。 前述のように、自治体間の文化や慣習の違いという問題は、財務会計業務に関しても同様で、扱う帳票の書式にも大きな違いがある。 これらをシステムとして統合していくには大きな労力を要することは容易に想像できる。
「とくに官公庁や自治体で扱われる帳票は、一般に罫線を多く含んだもので、業務に当たる職員だけでなく、 議会で議員が参照するといったこともあり、クオリティの点でも高い水準が要求されます」と語るのは、 つうけんアドバンスシステムズのe-Japan II推進室 で室長を務める中島 弘幸氏。 また、今回のシステムはweb上での稼働が前提であるため、帳票出力フォーマットとして採用するPDFの出力が可能であること、 多様な人名や地名を扱う自治体システム特有の外字取り扱いの問題、 さらには同社がシステム開発言語としてDelphiを利用しているといった事情も帳票開発ツール選択のうえで重要なポイントとなったという。
ツールの選定に際しては、国産製品に対象を絞って行なった。 これに関し、つうけんアドバンスシステムズの公共システムグループで担当課長代理を務める岩浪 大輔氏は「それ以前から、 開発で常用していた帳票開発ツールもあったのですが、海外製品だということもあり、サポートの点で大きな不安を抱えていました。 そこで、サポート面に不安のない国産製品の採用を検討していたのです」と説明する。
調査の結果、同社が関心を持ったのがエイチ・オー・エスの「シーオーリポーツ」だった。 「ホームページ上に掲載されていた機能一覧を検証してみたところ、このツールなら我々の持つすべての要件を満たせると判断し、 さっそく無償貸し出し版を入手することにしました」と岩浪氏は振り返る。その後、約1ヶ月の試用と検証を経て、採用を決定した。
採用の理由は、このツールが同社の要件を満たしていたのはもちろんのこと、コスト上のメリットについても高く評価されたからだ。 中島氏は「シーオーリポーツなら、他の国産ツールに比べて導入コストが非常に安価で、 しかもランタイムフィーが不要なため運用コストが膨らむという懸念も不要だという安心感がありました」と説明する。
1週間を要していたフォーム開発を2~3日で実現する高い生産性が魅力
「財務会計ソリューション」の帳票例(イメージ)
実際にシーオーリポーツを開発に利用した感想について、現場で作業に当たった、 つうけんアドバンスシステムズの公共システムグループの高野 翔平氏は「何と言っても、 帳票フォームの作成効率が格段に向上したことに驚きました」と語る。 事実、今回の自治体システムにおける財務会計関連の帳票は約100種類、特に変更頻度が高いものだけでも約40種類にのぼり、 帳票フォーム開発に関わる作業効率はシステム全体の作業効率を決するものだった。
「以前使っていたツールでは、フォーム設計ツール上で作成した内容が、 実際にはどのようなかたちで出力されるのか分かりにくかったのですが、シーオーリポーツの場合、 フォームエディタ上で作成した内容をそのまま出力することができます」と高野氏は説明する。 このため、以前のツールでは必須だった、フォーム設計と出力による確認、という作業の繰り返しも不要となった。 「その結果、これまで開発に1週間を要していた帳票フォーマットの作成が、 2~3日もあれば十分にこなせるようになりました」と岩浪氏は、その成果を具体的に紹介する。
さらに中島氏は「条例変更等で帳票に何らかの変更が生じた場合にも、その対応に手間がかかれば、 コスト的にもまた時間的にも、お客様に負担を強いることになってしまいます。 そうした意味からも、対応をスピードアップできるシーオーリポーツを採用した意義はお客様にとっても大きかったといえます」と、 その採用が顧客満足度の向上へつながっていることに喜ぶ。 そのほか「印刷された帳票自体の見栄えや、webブラウザ上でのパフォーマンスについても大いに満足している」と岩浪氏が言うように、 シーオーリポーツの採用は今回のシステムの様々な局面に多様なメリットをもたらしているのである。
つうけんアドバンスシステムズでは、ここで紹介した京都府でのプロジェクト以外に、 鹿児島県下で実施された町村合併に伴う財務会計ソリューションの構築においてもシーオーリポーツを活用している。
最後に山崎氏は「当社では今後も、全国の数多くの市町村合併に伴うシステム統合に向けたビジネスを積極的に展開していきたいと考えています。 そうしたなかで、各ソリューションの提供に必須となる帳票開発を支えるツールとして、シーオーリポーツは有力な選択肢だと捉えています」と、 シーオーリポーツに寄せる信頼の大きさを語った。