Eclipseで帳票開発(8)
パッケージJava製品開発担当の大です。こんにちは。
この「Eclipseで帳票開発」も、今回で8回目です。はやいもので、書き始めてからすでに半年以上が過ぎてしまいました。シーオーリポーツIDEプラグイン for Eclipseも、この半年の間に少しづつ機能が追加されています。今回は、そんな追加された機能のうちの外字に関するものを紹介したいと思います。
シーオーリポーツでの外字の扱い
外字とは、Wikipediaによると「特定の文字集合(文字コードなど)に含まれない文字のこと」とあります。Windowsの外字エディタなどで作成して登録すると使えるようになるアレですね。通常、Aさんのパソコンで登録した外字と同じものをBさんのパソコンでも表示しようと思ったら、Bさんのパソコンでも同じように登録する必要があります。
シーオーリポーツでは、このAさんのパソコンで登録した外字を抽出した「外字ファイル」を作成し、それを利用して帳票を出力することで、Bさんのパソコンに外字が登録されていなくても文字を表示することができるようになっています。
外字ファイルウィザードで外字ファイルを作成
シーオーリポーツIDEプラグイン for Eclipseに追加された外字関連機能のひとつめは、外字ファイルを作成する「外字ファイルウィザード」です。
※ 残念ながら、体験版では外字ファイルの作成はできません。。。
この機能を使って、外字ファイルを作成してみましょう。Eclipseのファイルメニューから、新規>その他を選び、ウィザードの選択画面で「シーオーリポーツ」フォルダの下の「外字ファイル」を選択してください。
次に、「フォントの選択」画面で、外字情報を抽出するフォントを選択します。複数選択可能です。「標準のフォントを指定する」でフォントを指定すると、出力時に指定したフォントが存在しなかった場合に、このフォントの外字を使用します。
名前をつけて外字ファイルを保存します。
これで外字ファイルの作成は終了です。
外字ビューで外字ファイルを表示
シーオーリポーツIDEプラグイン for Eclipseに追加された外字関連機能のふたつめは、作成した外字ファイルの中身を表示することができる「外字ビュー」です。これまでは他人から受け取った外字ファイルの中身を確認したくてもその手段がありませんでしたが、今後はこの外字ビューで、どのような外字が登録されているファイルなのか、確認することができます。
外字ファイルを使用して帳票出力
外字ファイルを使用して帳票出力を行うには、シーオーリポーツIDEプラグイン for Eclipseの「帳票クラスウィザード」で出力したコードに、以下の例のようにジョブの開始前に外字ファイルを指定します。
// ジョブを作成します CrJob job = new CrFileOutJob(CorFileType.PDF, "外字サンプル"); // 外字ファイルを指定します job.setExtCharFile("c:/ext/外字.crx"); // ジョブを開始します job.start(draw);
これだけで、外字を埋め込んだPDFを作ることができます。
※ この記事中で表示しているフォントは、IPAフォントに外字神社の外字を追加したものです。IPAフォントはIPAフォントライセンスで提供されています。外字神社の外字はクリエイティブ・コモンズライセンスで提供されています。